幼児・児童虐待について考える

昨年は5歳児の女の子が、先日は、10歳の児童が保護者から虐待を受けてなくなるという事件がありました。私自身、今回の10歳の心愛ちゃんが実の父親から虐待を受けていることを周りが察知してあげなかったのかとすごく不思議に思いつつ、ひとりで悩んでいたのかと10歳の女の子にとっては非常に苦しかっただろうと悔やみます。

今まで、虐待と言えば、まだ、周りに助けを求めることができない乳幼児という印象と、日々の虐待で言語発達が遅れる現象もある為、学校の先生などがしっかりと家庭訪問をするなどを行っているのかと思ってました。

私も、地元の児童相談所に仕事の関係で言ったことがあるのですが、電話がひっきりなしにかかってきて、多くの相談が集まている現実を目の当たりにしたばかりでした。また、今回柏の児童相談所内でのことでしたが、現在千葉県は、柏児童相談所で広範囲の地域を扱っており、船橋市内に児童相談所が新たにできるなどと言った話を耳にしたばかりでした。

地域が広範囲だからとか忙しいからで命を落としていいのか?という事になりますが、それはあってはいけないこと。ましてや、学校に登校しなくなった時点で、「心愛ちゃんとお話がしたいとか」「直接伝えたい!」などと接点を持つことができなかったのか…と。

千葉県では、昨年度から、児童相談所の職員を増やそうと採用人数を増やしている最中なのですが、これがもう少し早ければ…という思いと、それ以前の問題?と思う事も。

なぜ、保護者は自分の子どもに虐待をするのか・・・。

虐待を行う親の心理は?

心の重要な神経基盤となる「脳」に着目して行くと人間の脳は、乳幼児の頃から、いくつかの段階を経て進化していきます。もともとは【衝動・欲求・本能】だけが行動原理だったものの、次に【好き嫌い・不安】によって物事を判断するようになり、さらに【他者への関心・社会性の発芽】、最後に【目的・戦略・抑制】といったマインドを持つようになります。この4つは、大人になっても人の脳に存在しますが。これをわかりやすく、4匹の動物になぞらえた先生がいらっしゃったので使わせていただくと、「本能と快楽に従うワニ」「好き嫌いが激しく寂しがり屋の馬」「人目や立場を気にする猿」「計画性や目的に取りつかれるヒト」に分けることができます。

 普段はこの4匹がバランスを保って、人間の脳に存在しているのですが、虐待を行うときは、その均衡が激しく崩れていると考えられます。子どもを性的対象として見る性的虐待の場合は、“ワニの脳”が優位な状態。子どもに興味を失くすネグレクトは、親としての立場を気にする“猿の脳”、親として「○○をしなければいけない」と考える“ヒトの脳”が欠落している状態と言えます。子どもを精神的に追い詰め、暴言を吐く心理的虐待は、親自身が“正しいことを言っているつもり”の場合が多く、“ヒトの脳”が過剰に前に出て、子どもに対して良し悪しをはっきりわからせようという思いが強くなっているのでしょう。身体的虐待は、“馬の脳”が高じて、子どもが敵に見える錯覚を起こしている上、自分の立場を気にする“猿の脳”が、敵を全滅させようといった心理を呼び起こすため、子どもを攻撃してしまうと思われます。

では、なんで虐待をしてしまうのか・・・。

①自身が虐待されて育った経験です。虐待、特に激しい体罰をされた経験のある人は、ない人に比べて「人の痛みを感じにくく、自分の感情を抑えにくい」という大きな特徴があると言われていて、それにより、わが子への虐待がエスカレートしてしまうと考えられます。

②1つは生育環境。人間は影響を受けやすい生き物なので、幼少期に良識を教えてくれる人がそばにいなかった場合、間違ったことでも「やっていい」と思い込んでしまう面があるのです。

人間の脳は未完成な状態で生まれてくるため、脳の成長を阻害するような環境にあると、結果的に、脳内のバランスが崩れてしまう・・・。つまり、子どもを守ると同時に親の世代の個々のケアをしっかりやっていかないと虐待は減らないという事ですね。